
まず現実空間には直線要素は建物ごとにはあるけど数軒並べばそこには地面の凹凸の影響でまず直線要素はなくなる。なので商店街を描く時なども消失点ではなく「消失面」くらいの緩やかな方向性を取り、その面から適時合わせながら定規をあてる。
透視図法の成立条件は…「同一方向の平行要素」になる。 なので少しのレンズの歪み以外にまず「現実世界にありえない不完全な表現!!」と言える。 少しの上り下りごとに新たな消失点を必要としてさらに厳密に言えばその間のカーブは結局は間を埋めるしかない。
よく無限消失する道や街を描いちゃう人がいるが… 無限消失するためには数キロ以上が平面でまっすぐな道が必要。 滑走路なら行けるだろうか?それくらいまず現実の日常生活ではありえない絵ということになる。
透視図法から風景を描くのはやめてほしい。 まず「面で分ける」ことで「レイアウト(配置)」を意識して描けるようになる。 その次のステップとして同一方向平行要素はまとめて同じ消失点からとって描けるに過ぎない。 アイレベル→消失点→放射線の順ではレイアウトを描けるようにならない!!

特にアニメーションにおいては作劇法に合わせたレンズ感も大事な要素… つまり 主観=視点が近い=広角 望遠=視点が遠い=望遠…など つまりパースが正しいからと行ってアニメーションのカット素材としても不完全なものとなる。 ↓宮崎さんによる新人原画マンが陥りやすいミスの指摘。

奥の人を見せたいのに広角で手前のオブジェクトが伸びていると奥に目がいきにくくなり、見ているポイントが絞れなくなる。 なので圧縮望遠などがアニメや映画の手法として使われやすい。 主観=広角=歪みが大きい絵は主人公視点のアブノーマル視点、くらいにしか使われない。
アニメのカットを前提とした背景原図の学ぶべき優先順位は…
⑴配置、構図法=面分け(ダントツ!!)
⑵広角、望遠=作劇を前提とした視点移動
⑶細部を詰める際の透視図法
みなさんが最初に学び、影響受けまくる透視図法の優先順位はせいぜい3番目。
パース=建築風とアニメの構図は根本的に違う
透視図法の勘違い!!
アイレベル→消失点→放射線→その上にモノがのっている…わけじゃない!!
視点→モノとモノの距離→間をつなぐと直線→奥まで平面なら無限遠くで消失…が正しい
つまり自分の視点から見てパース=「近いものは大きく、遠いものは小さい」の根本原理を見失ってはいけない。
透視図法ベースの悪癖として放射線に乗っければことが済むと思ってしまう点。そうではない。
常に自分から見た遠近による大小差=本来のパースを意識しながらモノの変化を意識する。
某巨匠監督などは「パースが見えるような絵を描くな」と言い放つ。
「同一平面平行」は日常でほとんどないからだろう
人物以外に簡単なパース、構図法、空間ビート、難しい街や道、自然の描き方まで説明されているので興味ある方は拙著もどうぞ↓
『アニメ私塾流 最速でなんでも描けるようになるキャラ作画の技術』(エクスナレッジ刊)の内容紹介。
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…つまり透視図法の放射線に合わせてそれにのってけて描くのがパースではない。自分からの見え方をベースとして「近=大、ゆがむ」「遠=小、平ら」と考えてみよう。
もしも平面平行だったらそこだけサッと消失点をとろう。
なぜ⑶透視図法ばかりが蔓延して本当に大事な⑴構図法⑵視点移動が普及してないかといえば、教えてくれる人が学校にも現場にもいないから。
建物の設計、俯瞰図なら⑶は大事だが絵はあくまで絵。見て面白い絵=視線誘導が滑らかにするためには⑴⑵が主で⑶は従となる。
パース的に正しくても絵的によろしくない一例。
2点透視図法をそのまま部屋に使うと部屋が斜めに歪んでしまうことがよくある。奥面はフラットにカメラ方向を壁に対して正面にした方が絵として安定感が出ます。
さらにアニメーションになるとキャラが少し動くたびにキャラサイズが変わり不安定感になる
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