2018年5月17日木曜日

模写元ネタは何を選ぶべきか…

模写元ネタは何を選ぶべきか…
アニメ系の絵なら…
キャラ表、原画集、版権イラストなど>・・・>テレビ画面の絵…
テレビ画面の絵は実は動画マンが描いてます。
元は作画監督の絵ですがそれを動画マンがなぞって崩れています。
なのでよほど動画まで気の配られている名作でない限りテレビ画面のスクショなどは上手い絵としてオススメはできません。

そして上手くなるかどうか上手い絵を模写できるかどうかです。
すなわち上手い絵を選べるかどうか…
一昨年くらいの塾生で「これを選ぶか・・・?」という通好みな絵を選ぶ人がいてそいつに…
「君は自信がないらしいがきっとこういう人たちの現場に行けるよ」と言った。
その次の年にはその塾生はスタジオカラーに内定が決まりました。
すなわち名ソムリエのように上手くなる人、上手い人は当たり前の話が「上手い形」を選びたくさん描いている。
その前段階が上手いとは何か?をしっかりわかっているということです。

注)動きそものを上手くなりたいときはテレビ画面の連続コマ送りの模写は有効です。
しかし画力そのものを上げるためには…といういみです。

模写ネタに弱点が潜んでいる…
正直なんでもこの絵を選んじゃったかな?という人います。
例えば…
「顔の立体が怪しい」人決まって「顔の立体が怪しい」模写ネタを選んでいたりします。
模写ネタ(どっかのプロ?)が全部上手いわけではありません。
そして上手くなりたいのであれば初心者は好きな絵を選べばいいでしょうが…中級者以上は自分の弱点を埋めるネタを意図的に作為的に選ぶ必要があります。
つまり自分の弱点を知っていてそこをうめる必要があります。
上手くなるためには自分の名トレーナーに自分がなる必要があるわけです。

2018年5月16日水曜日

画力よりも「運用力」

画力も学力もないよりはあったほうがいいんでしょうがある一定上になればそれ以上に「運用力」のほうが大事になる。 要するに「力の使い方」。 これって学校で教えてくれない。 数学や歴史が何の意味があるの?ってなる。 そこが一番面白いところなんだよ。 肝心なところは教えてくれない。

◯スカートの足の太さの印象は…「微分」でわかる!! 微分=平均変化率だと意味不明なので… 「スカートの形で同じ足でも太さの印象が変わるよ」と僕なら教える。 それでグッと食いつく。 形の印象(絵)=先の予想の数値化(微分)と数学と絵は似ている。 教える侵入角で興味の持ちようが変わる


じゃあ歴史って何の意味があるの?といえば… これまた「先々の予想」のためにある。 簡単歴史勉強法としてオススメが「銀英伝」。 僕は80年代の一期が声優も演出も音楽も大好き過ぎて暗記するほどみてる。 「銀英伝」は世界史のいいとこ取りまとめなのであれで大体の政治社会歴史構造がわかります。

小学校5年の時に福島の地方TV20周年だかで「銀英伝一期」の一挙放送をした時のことをいまだに忘れられない。 音楽の選曲、入りのタイミングがかっこよ過ぎて以来クラシック好きになりました。

模写を自分描きにいかす方法!!「単純化の仕方」

模写を自分描きにいかす方法!!「単純化の仕方」
https://www.youtube.com/watch?time_continue=12155&v=P3jRXj-KlwM ⑴蛍光ペンなどで模写元絵のアウトラインを直線的に区切る ⑵⑴をまず模写する。必要があれば補助線等を使い正確に写す ⑶徐々に内側の中身を区切り細部を書き込む 模写を自分描きにいかすためには単純な形で特徴を覚えます。


イケメン素体の描き方

◯カッコいい足の描き方… 足は長いストロークを必要とするのでどうしても統一感が出なく、接地面も曖昧になり怪しいゾーンになる。 対策は… ⑴しっかり腰と地面を取る ⑵腰→膝→足首を関節ごとに一筆 ⑶リアルな足は骨のズレでまっすぐにならない ⑷シワ、靴でモコモコにせず素足の美しさを活かす

はじめ(腰)と終わり(足元)をまず決めてその間を埋めるようにすると行き当たりばったりの怪しい足にならずに済みます。 端を決めて間を埋める手法は足も同じです。

しれっと一発書きしてますがこの4点くらいは最低限意識はしてます。 ⑶⑷はいきなり難しいのでとりあえず⑴⑵は死守したいところ!!

◯イケメン素体は… 「肩幅広く、腰は小さな四角でとる!!」 美少女キャラの描きすぎで男性まで「安産腰」になる残念な例がプロアマ問わずに多いです。現実の観察に基づいたデフォルメ(誇張)を心がけましょう。

他人の人生の吸収が一番勉強になる

◯他人の人生の吸収が一番勉強になる。 そのために本はあるんだよね。 自分一人でできる行動範囲には限界があるから他人の体験談。 そう言う意味では作家の念がこもった漫画、アニメ、映画、今時ならネットの話まで他人のある種の体験談。 それらを知ることで自分を拡張できる。

無数の体験談を知っているのとそれを今の自分に程よく吸収していくこと。いきなり神作画を初心者がマネ出来ないのでまず自分がマネ出来そうなところから階段を一歩一歩登る。 だから、ある狭い範囲において絵描きはマニア以上に詳しくなったりする。 成長過程において他人のパターンが雛形になる。

知ってるのが大事。 別に知ったからと言って嫌いなことまでやる必要はない。 しかし今不要でも将来、スランプになった時の打開策になるかもしれない。 とにかく何パターンも描き方はあるんだから適材適所で使い分けたらいい。ある時の不正解はある時の正解かもしれない。

絵の描き方は変わって当然…

絵の描き方は変わって当然… むしろ変わらないということはそこで考え方も変わらずに成長は止まる。 常に暗中模索、様々なパターンを試さないと次に繋がらない。 わかりやすい変更方法としては… ・かける時間を変える ・画材を変える ・机の配置を変える ・生活サイクルを変える… とにかく色々試す

どっかで教わった懐古主義を盲信してそこから抜け出せない人はたくさんいる。 僕も学生時代は少ないノウハウを頼りに試してきた。 今時、無数のノウハウがあるんだから気になったら試す。 微妙なら止める。 情報を取り込む、発想を変える柔軟さがあれば本来年齢は関係ない

作品制作中に絵の練習なんかしない

Q、作品作りと絵の練習を同時にやる方法は?(村質問) A、僕は作品作りの時に絵の練習なんかしたことないですよ。 創作の過程で… 「わからないものは見ながら描く!!」 をやればそれで絵の練習になるからそれでいいのではないでしょうか。 欲張りすると「一も取らず二も取らず」になります。

苦行の先でしか上手くならない…楽しんではいけない…洗脳は色濃いです。 これ全部逆で楽しい先でしか上手くならないし、つまらないことはしてはいけないんです。 僕はムリだなあと思ったらそこからあっさり逃げて身を引くタイプです。 「押してダメなら引いて別の角度から見ろ」です。

他人の目を気にする前に「自分の目」を気にしよう。 習慣や思い込みでそうしてるのかそれとも本当に自分にとってプラスだと思ってのことなのか? そこの自分の深掘り、解像度の問題は大事。 どうせ他人に自分の考えなんか全部わかられるんだ。それを怖いと思わずに他人に恥じない行動を自分にしよう

勝ち馬に乗りに行っても本当の成功はない

勝ち馬に乗りに行っても本当の成功はない!! しかし有名スタジオに行った場合そこまで悲観する必要はありません。 「盗めるだけ技術を盗む!!」わけです。 勘違いしてはいけないのはメインスタッフがすごいのであってそこに入っただけの自分は全然すごくない!!ということ。

そこを勘違いする愚か者は本当に多い。 誰がすごいか見失うものにそのあとの成功はない。 そして自分は手伝いが得意かメインが得意かを判断する。 手伝いだって立派な仕事だ。 職人気質の人はむしろ事大主義の方が良い作品にあたる率がたかい。

メインでやりたい人は独立するしかない。 自分の名前のスタジオだ。 それ以外で自分を最大限に活躍させる場はない。 他人の栄光の上に自分の成功をのせようなどと甘い考えを持ってはいけない。 そういう人もやっぱり上手く行った試しがない。

欲求と向き合う

できるかできないかではない… やりたいかやりたくないか!! 描こうとしてかけない理由は攻略できる手順と十分な鍛錬をしていないからだ。アニメ私塾はじめ確からしいノウハウが無数に存在していてその通り描けば描けるようになる。 …問題はそれ以前にそのやり方で描きたいかどうかだ!!

欲求と向き合うことが案外難しい。 最初の思い込みから脱却できない。 そもそもにして本当に描きたいのかどうか? そこがグラついていると永遠とも思える絵を描く行為が辛いだけに。 寝食を忘れるほどじゃないけど… まず欲求が先にないとシンドイ。 描くことでなく絵描きそのものに憧れてるだけかも…

巨匠になるまでの道程は概ね解明されている。 極限の質と量とスピードを一定期間続けることだ。 宮崎駿の三千里全話レイアウトやイチローの練習量などを見ればわかる。 …しかしそれを自分が本当にやりたいかどうか? そこなしに表層の成功だけ羨ましいとかご都合主義すぎる。 同じだけの欲求がない。

また欲求は時代によって変化する。 無いものを埋めるためには人は頑張れるがもう十分にあるものをまた作ろうとするときにそこまでやるだろうか。 またやろうとする人が出現するだろうか? 今、憧れのあの人は「過去の欲求」によってやっていた。 これから生きる人が同じ欲求を持てない理由

現状の社会問題系悩みの多くは「今の欲求」×「過去の憧れ」の差異によって生まれる。
情弱は今だに「過去の憧れ」で勝負しようとする。 その時に「今の欲求」との誤差が悩みとなる。 まして時代の変化速度はかつて無いほどなので結果として… 「頑張ってるのに何でうまくいかないんだろう…」になる

ペン一発書きを奨励しない理由…

◯ペン一発書きを奨励しない理由… 描きなおせないからです。 せっかく書き直せるツールもあるので描きなおせないものがベストとは思えない。
電車クロッキーなどサラッと上げるのにはペン一発もいいでしょう。 それは初心者向けでなく、上級者の見せ物芸に近い。 上手くなるには線半本まで拘れ!!


迷いのない一発書きは美しい… しかし迷いながら最後の最後までこだわり抜いた絵の方が僕は好きです。 どう考えてもそっちの方が上手くなる。 つまり迷いや不安そのものも受け入れ「一発書き」の表層の美しさの流されずに拘った方がいいに決まっている。 「一発書き」自体が心の弱さ→逃げと思ってます
◯親戚の子、筆ペン一発書き ほとんどこういうのは書きません。 本当にたまに。 日頃の添削の成果が出るのでこれも楽しいです。 顔はしっかりと、髪の毛、洋服等はあえてザックリ仕上げて顔に目がいくようにして見ました…という言い訳。

何時間だって描けばいい

早く描けるようになる方法は?という質問よくあります。 そもそもなんで早く描く必要があるのでしょうか? 絵仕事上、必要な以外は趣味ならスピードなんて関係ないはず。 まずはこだわるだけこだわって捏ねくり回して見てはどうでしょうか? 線も目も定まらないわけだし、何時間だって描けばいい

「正確に模写するステップ」は上手くなったからといってどこも省きません。 頭身のアタリも補助線も目の残像で起こします。 つまり全ての手順を高速にあるい同時に行なっているだけで描き方、手順そのものは同じです。 それを経験を浅いうちは時間をかけて手順を分解して着実にやるわけです。

上手い人には何かコツや秘密があるハズ…という考えが大きな間違いです。 「最も間違いの少ない着実な方法」で一歩ずつ積み上げていっているにすぎません。

がばかりに遠回りしつつ確実にゴールに近づいて行きます。 いきなり近道を選ぶ人は迷路と同じでいつまでもゴールしません。

「正確に模写」しないと何も吸収できない

「正確に模写」がプロの最低関門… 「正確に模写」するためには正確に見て、正確に表現しないとできません。 ここに画力向上の全てが入ってます。 他人の技術の吸収や参考資料の使い方など、正確に見て、思ったところに線が行かなければ本当に苦労するし、何をするにしても支障をきたします。

「正確に模写」のステップ ⑴頭身を合わせる→キャラの根幹です。何頭身キャラか?自身がない人は定規で測りましょう ⑵絵がまっすぐにならないようにする→細かい線追いになると全体のバランスを見失います。頭に対して足元がどこかなどの縦軸の関連線を意識する補助線を引いて見ましょう



これは模写の時の描き方に限りません。 「すべての絵の描き方」です!! 落書きするするときも何頭身キャラか⁈、全身のカーブをどのようにするか⁈大枠で決めます。そこから徐々に表情やシワなどの細部に行きます。 いきなり細部から行く人はベースから曖昧なので毎回同じところで悩みます。

宮崎さんは屋根の先から描きはじめて精巧な湯屋になり、安彦さんは足先から描きはじめてあのかっこいい立ちポーズにします… でも僕ら凡人が同じ描き方で上手く描けますか? 細部から描いて全体を支配するのは巨匠級の難易度。 なるべく描きやすい、技術が蓄積されやすい方法で描きましょう。

細部からしかも何も見ずに描きはじめるなんて僕から言わせたらそれは「巨匠描き」です。 無数の体験を元に巨匠になってからやろう。 いきなり素人風情が真似できる芸当ではありません。

絵は建築に似ている… 大工の義父はよく「段取り八分」といいます。 つまり準備の段階でデキの80%決まるということ。 模写なら、しっかりと頭身を合わせる、全身のカーブを意識する、調べるなどの手順の段階でクオリティもまた決まって行きます。 どうやっても上手く行く手順で描きましょう

上手くなると遅くなる…?

◯上手くなると遅くなる…? 昨日まで許せていた絵が今日は許せずに描き直してしまう。 つまり上手くなればなるほど自分へのハードルが上がって行き結果として遅くなって行く。 これは自分への圧力が高まった状態。この圧力を少し下げれば以前よりも早く上手く描ける。 …なので優先順位は「質>速さ」

つまり自分基準のハードルは突然上げられないが下げることはいつでも可能。 ・・・だから正確に模写を奨励してます。 正確に描く圧力を加えれば、早く描くときも同じ感覚で描けるので上手くなる。 むしろ「質→速さ→質」の順でサンドイッチして練習するといいとこ取り出来るようになる。


立ちポーズが棒人間にならないために…

◯立ちポーズが棒人間にならないために… ・手足の長さが最大の場合、奥行き感がなく平面的で躍動感がない ・手足、胴体の圧縮により立体感、躍動感がでる ・骨のつき方が手足で上一本下二本なので見かけ軸がズレたように見える。 それらの要素を無視すると木偶人形のような素体になってしまう。

他人に絵を見せるで自分を知る

深層意識が絵に出る! 出張添削では3人連続で「ツノありキャラ」で驚いた。 「みんな心のツノを隠し持っているのかなw」と冗談で言ったがあながち嘘でもない。 知らぬ間に選択しているものに自分の本質が出る。 だから昔の自分の絵を見ると絵の下手さ以上に題材選びが異様に恥ずかしく感じる。

自分ほど自分を知らないもの… 自分のことを知っている以上の武器はなく。 自分のことを知らない以上の弱点はない。 全ての行動は自分を少しずつ解明して行くことなんじゃないかとすら思う。 そのために絵を描いてるんじゃないかと思う。 絵は自分を知れる素晴らしい鏡みたいものなので。

自分を知らない人の努力は全て無駄に終わり… 自分を知っている人の行動は全て上手く行く。 それは自分=ゴールそのものだから。 自分が何で満足するかわからないなら何をやっても意味がない。 ゴールが見えなければ全ての道筋は無意味になる。 だから絵の描きはじめはとにかく「好きな絵」を描くこと

他人に絵を見せることはその反応により自分を知る行為に他ならない。 自分のことは自分が一番知っているというにはとんだ思い上がりだ。 自分のことこそ色眼鏡で都合よく、都合悪く見ている。 無数の他人の中の自分を知ることでようやく無数の価値観の中の確からしい自分を知ることができる。

具体的に言えばある人に酷評された絵を別の人に見せたら絶賛かもしれない。
さらに多くの人に絵を見せることで自分の絵の位置が決まってくる。 自分の絵はある人にはすごく価値があるかもしれないし、一方で無価値かもしれない。
そういう矛盾を内包してないと異様に傲慢になったり謙虚になってしまう。

巨匠を神棚の上に置かない

巨匠を神棚の上に置かない… 宮崎さんが手塚治虫がなくなった時にそのようなにインタビューに答えた記事があった。 巨匠の何がすごくて何がマズかったか? 精査することが次自分たちのやるべきことを決める上で絶対必要。 聖人君主で全てが正しいわけじゃないんですよ。 僕なりの回答が教育でした

私なんかのヘボが巨匠さまの文句なんて言ってはいけない… 一度同じ土俵に立つとそう思ってしまうのは当然かもしれない。 しかしちょっと待ってください。 子供のころに見たあれと冷静に見てどっち面白いですか?思い込み抜きにして。 作る側の目線も大事だけど見る側の目線は以上に大事‼︎
つまり「自分の感度の主導権」を周りの環境や目の上の権威に左右されてはいかんのですよ。 そこを他人に譲ると最終的に自分が何のために絵を描いているのか本当にわからなくなるから。

会社の体制維持のために作品を作りはじめると本当につまらなくなる。 自分の生活のためだけの絵も同じ。 自分の美意識にそぐわない仕事しはじめると絵が終わって行く。 誰に向けた何なのか? そこのプライドの最終防衛ラインを超えてはいけない。

ローテ演出で数年、信用を得てからの原作付きの監督という在り来たりの出世コースに面白みを感じなかったのでアニメ私塾をはじめた。 我慢してそのあとに楽しいことあるのかというと我慢の後にはまた別の種類の我慢が待っているんだよね。 あと他の人がやっている後追いをしても意味が薄いので。

絶対上手く描ける条件下で描く

◯とりあえず見て描こう!! 上手い絵または実物を見た場合と何も見ずに描いた場合どちらが上手く描けますか? あなたの画力が世界トップクラスまたは一度見たものを絶対に忘れないサヴァンでない限り、確実に何かを見た方が上手く描けます。 ・・・だったらとにかくなんか見ようか!!

何も見ずに、わからない形を描きはじめるのは論外として… 重要なことはむしろ何を見るか、どれを参考にするかの選球眼がその人の持ち味であり、センスと言える。 何も見ずに描こうなどという曲芸師的な部分がセンスと勘違いしている間は絶対に上手くなりません。絶対に…

絶対上手く描ける条件下で描く!! 例えば「アニメ私塾」「添削」で画像検索かければ無数の素体が手に入ります。 そこに好きなキャラをのせたらそれでポートフォリオになりませんか? しっかり色までぬればもう立派な作品。 ただし、何と何を選ぶか、またはアレンジに練度がいるわけです。


自分よりも上手い人の素体(ベース)にキャラをのせるのはアニメ業界では演出作画監督修正の流れで普通に原画マンがやっていることです。 第二原画などと呼ばれるのがそれ。 元アニメーター出身演出などなら作画監督自身がそれにまわることもしばしば。 集団創作の過程で普通のことです。

漫画でも… 漫画家のネームをアシスタントが下書きしてそれを漫画家自身が修正を兼ねてペン入れする、システムを取っているところもあるようです。 他人を一旦入れることで見えるコラボの面白さもあるのでしょう。 なんにせよ良いものが上がればどんな手を使ってもいいのが絵です。

オリジナル幻想の原因… 小・中学生の子を見ると好きな漫画やキャラの模写になんら抵抗もなく描いている。 それがどうしたことか高校大学の受験を通過した年齢以降からカンニング=ズル症候群に陥り、他人の絵を見てはいけません洗脳になっている。 見ないで描く状態って採用試験以外ないよ。
世に中には無限にあるレゴブロックのようにもはや素材は用意されている。 それをどう組み合わせて何を作るかしかない。 新しい素材から作ろうなどと考えればそれは先人の積み重ねを無視した不毛な行為で稚拙な表現にしかならない。 世の作品は全てそうだ!!という構造がわからないと創作は始らない

例えばいきなり自分で考え出したコスチュームを着せてみました!!…となるとそれは大概「なんか変…」にしかならない。 服にも歴史があり、みんなそれをぼんやりと見知っている。 それ以外のモノを当てずっぽうで描いたら世界の歴史、文化を無視することになるのでそりゃ「なんか変…」になる。

つまり資料を使うときは可能な限り忠実に正確に使うこと。 全く新しいファンタジーの服だって必ず元ネタを使っている。 超異世界超未来でもなぜか和服のアレンジみたいのもあるように… 全くみたことないものは違和感にしかならないので必ず有りモノの機能を利用する。

襟が大きくなる人が多いが襟の元の昨日は首の汗を服につけないためにある。 なので襟を立てるとちょうど首の長さに等しくなるわけなので襟の通常の高さは首の約半分となる。 また背広の襟を立てるとツメ入り学生服と同じなる… など機能から服の意味、理屈を詰めて行くと迷った時にわかりやすい。

Q、静かにたたずんでいるだけでも存在感を出したい…

Q、静かにたたずんでいるだけでも存在感を出したい… A、キャラは記号+立体で存在感が表現できます。 「記号」=キャラらしい形と「立体」=空間表現によりそこにいる感じを出すことができます。例えば髪の毛は自然と下方に向かい、時として肩の立体に乗るなど…
https://youtu.be/P3jRXj-KlwM?t=1h26m46s

絵はすべて描いた人の意図の通りです。 つまり「生き生きとした存在感」すらも描き手が手練手管で足していって盛り付けるものです。 顔の凹凸、肉の柔らかさ、骨の硬さ、服の質感…などの要素を足して行くことにより存在感が生まれます。さらに立体空間を描くことで「そこにいる!!」感が増します。

最大の敵は…「飽きる自分」

◯自主制作、趣味の最大の敵は…「飽きる自分」 最大のスポンサーは自分なので自分を飽きさせないように最大限に工夫が必要になる。 逆に言えばそこさえクリアすればニッチな作品ほどネットで拡散されてどこかの誰かが楽しみ応援してくれるだろう。 いづれにせよ最強最大の敵は自己満の壁。

小中高大就職と他人のオーダーに言う通り答える訓練はみんなしていて得意だけど… 趣味の創作においては「自分が一番何を見たいか?」という禅問答がはじまるのでそこでみんなつまずく。 そんな時は視聴者を限定しよう。友人のあいつとあいつとか。 それがすなわち作品のテーマ(制限)となる。

創作とは可能性を削る行為!! 何も描かなければそこには無限の可能性がある。 しかし一本線を引けばそこに地面が生まれ、情報が限定される。 面白い作品作りとはすなわち面白い制限を作っていく行為。 無限の可能性そのものは面白くもなんともない。

「描き順」の大事さ

◯絵の描き方を公開している理由は…「描き順」にあり 漫然と聞き流してるだけでもいいですが本当に上手くなりたい人は是非「描き順」を見ながら再現しましょう。 絵を正確に模写するのと同時に描き順さえも正確に再現することで描き手の意図を体感できます!!
https://youtu.be/xXiVGsRa4Sw

そしてありえないほど鉛筆を長く持ってますね。 絵描きの観察眼とは何も実物や上手い絵に対してだけでなく、同業者に対する技術を盗むための観察眼でもあるわけです。 なんか上手くならんという人…一言でいうと甘いんです。 何から何まで。まず見方が徹底してない。 そっから全部真似してください。

自分の人生に1番の影響を残した一本を上げるなら… 「もののけ姫はこうして生まれた」…本編でなくメイキングの方…w 宮崎さんの手元映像がすごく早くて楽しそうでアレをやりたいなあと思って学生時代からアニメつくりはじめプロにもなったが… 今は本編じゃなくてそっちの方になってしまった。

絵描きは学歴不問?

絵描きは学歴不問? 「アニメーター志望です」「美大も専門も出ていないですがなれますか?」 という質問がたまにあるが今だにそんなこと気にするのかとびっくりする。 画力や実力の本質勝負で一発逆転を狙って絵描きになるんじゃないの? 学歴、就活、終身雇用とかと真逆の世界です。

3カ所でアニメーター採用に関わったが私見ですが僕は90%「提出書類」で決めます。実技試験は書類なりの結果になり面接はよほどヤバイ人のフィルタリング。 つまり書類以降は確認作業になるわけです。 しかしこの子!!と一発イチオシの子は他社も受かってるので大概来なかったりする。

なので「学歴」なんかほとんど見ない。
絵しか見ない。 むしろ学歴を論じている時点でアニメーターという仕事の理解をしていなさそうなのでその時点であやしいと思う。

親の手前大学に行かなければいけません悩み‥ それも贅沢な変な話ですがだったらなるべくアニメと関係ない学問勉強した方がいいです。 アニメの世界に入ればみんな詳しいの当たり前なので他に知ってることあった方が有利。 僕なら数学と教職。 理屈っぽく教えるのはまんまこの影響。

アニメと全然関係ないことを知っていてそこからアニメを本職にすればそれで独自のブレンド絵描きになれる。 遠い点同士が繋がり独自のフィールドになる。

高学歴より大事なのは「今も勉強し続ける」こと。 下らない一問一答に世の中は出来てないので自分で勉強するときは今一番面白いことを勉強しよう。 アニメ私塾の動画だって見ようによってはそこら辺の大学の講義よりある意味深い‥です。 僕も今だに興味ある人の話を作業中ずっと聞いてます。

スーパーアニメーター「田中敦子さん」の衝撃…

スーパーアニメーター「田中敦子さん」の衝撃… 新人動画マンの時に田中さんの原画が来てびっくりした。 ふわふわっとふざけて描いているようにすら見えた。 しかし完成画面になった瞬間の破壊力が凄まじかった。 名だたる中堅アニメーター達も口々に「かなわない…」と言っていた。

つまり「お絵かき」をしてるんじゃなくてあくまで映像の素材を作りをしているんだってことを知った。 じゃりん子チエの多段蒸気など今時のフラッシュアニメーターかよというほどのハイセンスを30年以上前にやってしまっている。 カッチリしたアニメ絵が嫌いで描けなかった当時大分心の支えになった

成長の鍵は抽象化にあり!!

模写やデッサンをしても上手くならない人は… 「単純化、抽象化して見ていない」から。 線や細部で見ている人はゼロから描くことも出来ない。 全体の流れをシンプルに覚えておけば自分で描くときの形の貯金になります。 例… 人=【丸】+【台形】 車=【箱】ー【角】 木の立体=ブロッコリーや手…


◯細部を見てしまう理由… 目、髪型、胸、股間など分かりやすく魅力的な部分に人の目は行きやすい。 だから模写しようとするとそれら細部の再現をまずしようとして失敗する。 全身の配置、流れ、バランスを無視してそれら魅力的な部品を精巧に描いたところでちぐはぐになる。

単純化して「構造」から見ないと再現できない。 これは万事において同じ。 1カット単位でも1作品でも建築でも企画プロジェクトでも同じ。 構造の分析と理解があってはじめて再現することができる。 構造の分析に大事なのが簡単に見てなんなのか?という「抽象化」だ。 解像度を下げてデータを圧縮する

◯「抽象⇄具象」の自在の行き来が成長のポイント ・1聞いて10わかる ・他での経験を活かす ・何も見ずに描く… など一般に「地頭の良さ」と思われるものの正体がこの「抽象⇄具象」です。 例えば駅前の放置自転車の群れの拡がりがアメーバの細胞分裂に見えるとか…
全ての経験が活きる人と全ての経験が無駄になる人の差も「抽象⇄具象」です。 絵が全然上手くならない人は世界の全ての解像度が高低差なく一定に見えている。 絵が上手くなる人は超漠然とも超高解像度にも見える。 つまり全体と細部を同時に見ている。

抽象的に全体を見る方法… 「薄目で全体をちゃんと見ない」 あえてちゃんとみないことにより、自分の見え方と違う抽象度の高い見方の訓練になります。 そして「真面目に描かない」ことにより自分の描き方以外を試すことができる。 「しっかりと見て真面目に描く」こと自体が思い込み!!

◯抽象度を上げる思考訓練 ・例え話をする(絵描きはラーメン屋みたいなモノ…) ・身近な人のモノマネ(特徴の抽出と誇張) ・数学(世界を数に置き換える)
・子供と遊ぶ(ゴッコは現実の抽象表現) …など。 売れている芸人さんは例え話とモノマネが上手いので「現実⇄笑い」変換をしている。あるあるネタで納得する仕組み

難しい絵は描かない

◯1日30分描いて癒す!! 適度な運動で体の健康促進をする人は多い。 同様に絵を描くことで「心の健康促進」をしてみてはどうだろうか? 理想の形を絵にすることは自分の深層意識と向き合い、心を素直に正常に戻す効果があると体験的に感じてます。 とりあえず描き始めれば30分以上描きたくなります。

◯難しい絵は描かない 難しい絵を描けば上手くなると思っている人は多い。 しかし自分の学生時代を考えると作品作りに関しては… 「最大限見栄えすること」を目標に考えていた。 つまり上達よりも見栄えを優先した。 その先でさらに色々描きたくなってはじめて難しい絵に少しずつ挑戦していった。

◯先ずは「かわいい斜め顔、こっち目線」 本当にワンパターンでいいから万人がある程度良いと思ってくれる顔を描けるようにはじめ意識した。 それができたら徐々に正面、横、斜め上下、後ろと他の角度を攻めて行って… 自己満できない顔も描けないのに全身を描こうなんて考えもしなかった。

◯全身が描けません… そりゃ描けないですよ。 全身をしっかりと描けるようになったの僕でいうとプロ5年目くらい。 それまでは自信がないので何かを必ず見ながら描いた。 今なら練習法やノウハウが確立してもっと早く上手くなるかもしれませんが全身は何も見なかったら描けなくて当然です。

◯ドアップは見栄え良く、全身は動かしまくる これは自主アニメで戦略的に下手な自分がやっていたカットの組み方です。 つまりドアップによりキャラの説明をして、引きの全身アクションでは多少顔が崩れても一枚の「滞空時間」が短いので間が持つ。 つまり絵見せか、動き見せかをカットによって分ける

◯下手な自分を受け入れる つまり描けないものは描けない!!という自分の無力さえも織り込み済みで創作をする。 その上でその時々の最大限のパフォーマンスを目指す。 みんな難しいことやろうとしすぎ。 そして作品が崩壊して「創作意欲」そのものがなくなって単発で終わる。

◯一つずつ描けるものを増やしていく!! ・ワンパターン斜め顔 ・全身決めポーズ ・お決まりの手前ナメ物の遠近レイアウト …外さない見栄えする型を少しずつ増やしていく。 コントロール出来ない表現で勝負しない。 そこまで明瞭に出来る出来ないがわかれば練習内容もはっきりする。

2022年塾生T ・Hさん受講感想「受講してよかったこと」

  私塾の申し込み締め切りが間もなくに迫り、キャラコース受講中のわたしも残る課題が3月分の2回となりました。 去年キャラコースに申し込んでからもう1年が経とうとしてるんですね〜 ここでこの1年(正確には11ヶ月)を振り返りたいと思います。 受講を迷ってる方にも、判断材料になれば!...