2014年9月22日月曜日

<パース基礎編説明>

<パース基礎編説明>
透視図法の良し悪しや広角、望遠の簡単な説明です。
説明動画も合わせてご覧下さい。

●導入
・アニメーションには遠近表現が必要(空間表現でお客に感情移入)
 ・正しいパースが良い画とは限らない(3Dで作れば良い画か?)
 ・パースはあくまで映像表現の素材作りの一要素でしかない
・つまり何を表現したいかが一番、パースはそのための理屈付け

●アニメーターにはパースが必要
・ある虚構世界でキャラクターを破綻無く動かすため
・つまりパース作成=動きそのものでもある
・アニメーター本人が虚構世界に夢中になるため
・映像制作にはパースが必要(アニメは立体紙芝居だから)
・理論的な空間がないと集団作業できない(動画マンの中割りなど)

●透視図法とは?
・肉眼ではありえないモノの見え方を簡易的に表現したもの (肉眼で見たものは目先のもの以外はすべて歪むはず)
・平行なものが画面に存在するとき楽にそれっぽく見せるだけの技 (よくアニメにある無限の道、街、塀などはいわゆる記号)
・肉眼に近い二点透視は2~3フレーム分消失点を離す
・透視図法の消失点の位置はレンズ感によって変わる
・本来、人間は双眼なので一点透視画法で描かれた空間は窮屈に感じる
・でもまあ、とりあえずガチガチの透視図法を最初に憶えるのも大事
・重要なことは、やはり画を描いてる感覚(図面屋さんではない!!)
・透視図法ばかりにとらわれすぎないように!!

●レンズ表現とは?
・誰が、どこから、何を見ているか映像には様々な視点が存在する ・レンズ表現とは視点変化による見え方の違いのこと
・視点が変われば、自ずと見え方表現にバリエーションが生まれる ・それが広角レンズ、望遠レンズ

●広角レンズとは?
・対象物を近くから見るときに使う
・狭いところでたくさんのオブジェクトを入れ込む
・主観的に見える、見てるところが近い
・非日常的、臨場感、圧迫感、不安感(疲れる画)にみえる
・やたら傾いて見えてしまう ex自分、手元、足下、近くの人、殴り掛かる人、狭い部屋など

●望遠レンズとは?
・対象物を遠くから見るときに使う
・広いところで少しのオブジェクトしか映らない
・客観的に見える、見てるところが遠い
・日常的、冷静、しらけ、安定感(安らぐ画)にみえる ex状況説明、野球中継、サザエさん、小津映画、黒沢映画など

●固有のレンズ感について
・人によって広角気味、望遠気味どちらかに偏ることがあります
・自分の固有レンズ感を知り、不得手なレンズも使いこなそう
・自由に空間表現できるようになれることを目指そう!!

●困ったらいろんな場所に棒人間を描く
・とにかく自分がその空間にいることをイメージする
・棒人間の比率を元にレンズ感、空間設定を決める

●パースは縦線より横線 ・奥行きをイメージするのに縦線をメインにすると空間が固くなる ・横線をメインにすれば、のぼり、下り、曲がり道も自由に描ける

以下アニメ私塾の説明動画です。
パース基礎講座

1 件のコメント:

  1. ドキッとさせられることが多かったです。

    透視図法にとらわれ過ぎないというところはとくにドキッとしました。

    思い通りの表現をするためにパースを学んだのに、いつしかパースがしっかりした絵を描くことを優先になっている自分がいました。

    これでは何をやっているのかわかりません。

    室井さんの言う図面屋さんではなく、パースを利用してもっと魅力的で理想の背景を描けるように頑張ります。

    今回もためになる記事ありがとうございました┏●

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